着物買取の中で買うときは高額なのに、査定をしてもらうとまったく値段がつかなかったということがあります。購入金額の1割もつかなかったということもあります。
それが、喪服をはじめとする礼服です。

お葬式など喪に服すときに着る着物なので、あまり着る機会は多くありません。
そのため、保存状態はよい場合が多いのですが、買取金額は安くなってしまうんです。

その理由はなぜなのでしょうか。

喪服を買い取ってもらうときに知っておきたい基本情報と高い下取り価格をつけてもらうコツを紹介します。

着物の喪服は価格が安い理由


「着物は背丈でサイズが変わるから中古買取を頼んだところでたいした値段はつけてもらえない」

一度でも着物を買取査定に出したことがある人であれば、着物買取が安いという印象を持っているのが一般的なようです。

実際は査定してもらう着物の種類や状態、タイミングによって金額が変わるので「着物買取がすべて安い」と言い切ることはできないのですけどね。

そんな買取金額にネガティブな印象をもたれがちな着物ですが、喪服に関してはほとんど値段がつかないものが多いんです。

高級な生地でつくられた着物でも買取金額はとても安くなってしまうことがあります。

なぜかというと、家紋が入っているからです。
買い手や譲る相手が同じ家紋であれば、再利用できますが、そうなる可能性はほぼありませんよね。

また、礼服のひとつでもあるので、きちんとした着物がほしい人は中古ではなく新品で仕立ててもらうことも多いです。

最近だとレンタルも登場してきているので、ますます買い手が少なくなってきています。

喪服の買取価格は高くなりづらい理由
・家紋が入っているので、買い手がつかない
・中古で喪服を買う人はあまり多くない
・葬儀場で喪服をレンタルすることもできる

ある着物を専門にあつかう呉服店の店主によると、最近は新品でも喪服を仕立てる人は減ってきたそうです。

袖を通す機会が少ないので、喪服に高いお金をかける家庭は少ないのだとか。
レンタルや紳士服チェーン店などでレディースフォーマルを安く変えるので、そちらを利用する人が大半です。

礼服は高く買取査定してもらえる?


喪服は礼服の一種です。喪服が高い値段で買取してもらえないということは、礼服も全般的に買取査定の金額は安くなりがちなのでしょうか。

日本には昔から「褻晴れ」という考え方があります。褻(け)とは私ごとや日常的なこと、晴れは儀式や祝い事などの特別なときのことをそれぞれ意味します。

現代でもビジネスマナーや一般常識としてTPO(時間、場所、状況)にあわせた振る舞いの重要性が語られますよね。

喪服をはじめとした礼服は晴れのときに着る着物です。

代表的な礼服
・葬儀などで着る喪服
・第一礼装として着る黒留袖
・成人式などで着る本振袖
・結婚式の花嫁衣装としての打掛

大きく分けると上記の4つが礼装として扱われます。

準正装着と呼ばれる色留め袖訪問着が他にもありますが、礼装よりも中古であっても買取価格をつけて引き取ってもらいやすいです。

その理由は家紋が入っているかどうかで違ってきます。

家紋が入っていても、上から染色することで消すことはできるのですが、特殊な技術が必要なため手間がかかってしまいます。

また、黒留袖のような第一礼装を着る人もずいぶんと減りましたよね。
たとえば、結婚式で新郎新婦の母が黒留袖を着ているということもずいぶん見なくなりました。

つい10年か20年くらい前までは黒留袖を着ている方はまだまだいたのですが、時代にあわせて利用される機会が減っています。
そのため、買い手がつきづらく買取査定額も低くなりやすいんです。

買取査定金額を高くするコツ


買い手がつきづらく、着る人も少なくなってきた喪服・礼服ですが、少しでも高い値段で買い取ってもらいたいですよね。

そこで、どうすれば喪服の買取査定金額が高くなるのか知っておきましょう。

あまり知られていないのが家紋入れ替えです。

伝統的な着物クリーニング屋さんのなかには家紋入れ替えの技術を持っている方もいます。
着物の染み抜きや仕立て直しを専門にしている業者に頼むのが一般的ですね。

家紋入れ替えの作業はとても繊細で、手間がかかります。
そのため、料金は家紋1カ所につき3000円から5000円が相場です。喪服は五ッ紋になっていることが多いので、だいたい5カ所分の料金が必要になります。ですので、15,000円から25,000円が相場ですね。

なかにはもっと安い金額で家紋入れ替えをしてくれる業者があるかもしれませんが、仕上がり具合も気になるので、安さよりも信頼できるお店に頼みましょう

また、喪服の生地によっても金額が変わります。
厚手の冬用喪服なら5カ所で2万円を超えますが、夏用の喪服や単衣喪服であれば2万円よりも安くすみます。

家紋が取れていれば、ついている状態よりも高値の査定価格をつけてもらいやすくなります。

喪服の査定価格をあげる方法
・着物専門のクリーニング業者に家紋入れ替えをしてもらう
・ネックレスや真珠などをまとめて査定してもらう

家紋入れ替えとは違う方法で喪服の査定金額を高くすることもできます。それは、ネックレスや真珠など喪服で着用するアクセサリーをまとめて査定してもらうことです。

買取業者の多くは貴金属の買取を行っています。

なかには「貴金属の買取査定を行いたいから、うたい文句として着物買取をしている」という業者もいるほど。

さすがに貴金属メインで着物買取をおとりにしているような業者には依頼しないほうがよいです。過去には貴金属の買取査定の方法が悪質で消費者庁から注意された買取業者もいるほどですからね。

貴金属は着物よりも買い手がみつかりやすい商品です。

ダイヤモンドなどの宝石は購入金額の1割程度に値崩れしてしまうこともありますが、ゴールドであれば安定して取引が行われているため買取業者としてもよろこんで買い取ってくれます

もし不要なアクセサリーがあるなら「ゴールドも一緒に査定してください。その代わり、喪服にもうちょっとお値段つけてもらえませんか?」と聞いてみましょう。

買取査定はプロの査定員が明確な基準で買取金額を決めていますが、市場の着物価格は流動的です。
あまりに非常識な高値での買取価格アップはしてもらえませんが、買取金額の10%くらいであれば価格アップしてくれることもあります。

ゴールドや宝石など、アクセサリーを活用して買取金額をアップしてもらいましょう。

まとめ


着物は買取金額が低く査定されがちですが、なかでも喪服や礼服は家紋がついていることが多く、買い手が見つけづらいです。
ですが、家紋入れ替えやゴールドとのまとめ売りをすることで、買取査定の金額をアップしてもらえる可能性が高くなります。

「喪服だから査定金額はどうせつかない」とあきらめずに、まずは買取業者を呼んで査定してもらいましょう。


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